無垢の木とは

無垢とは混ざり気のないという意味で、一本の木から取れるつなぎ目のない材木を無垢材と言います。自然な環境で育った無垢材の表情は様々で木本来の質感、風合いという面で魅力があり、一本として同じものがないことを、短所とらえるよりも自然の造形の美しさとしてお考えください。大量生産ではなく、じっくり年月をかけて育ってきた天然材だからこそのぬくもりと安らぎを楽しんでいただきたい素材です。

調湿作用

塗装されていない無垢材は季節に応じて伸縮します。無垢材には調湿作用があり、湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保つ性質があります。そのためコンクリートの約2倍もの断熱性があります。しかしこの『縮む』『膨らむ』という性質はデメリットにもなります。床鳴りがしたり、多少の反りや割れが起こる場合があります。

無塗装

塗装についてですが、汚れにくいという理由からウレタン塗装が望まれてきましたが、無垢材は無塗装が基本です。塗膜塗装をしないで使ってこそ、そのよさが現れます。夏はひんやり冷たく冬はほんのりあたたかみを感じます。その質感はいつもやさしく、素肌で触れると塗装材との違いがはっきりとおわかりいただけます。万が一の火災時にも有毒なガスは発生しません。メンテナンス性を高めるための塗装を好まれるなら木の呼吸を妨げないよう自然系のワックスを薄く塗布することをお勧めします。

光と音を乱反射させ、目と耳にやさしい

木は光を乱反射させて、眩しさを軽減します。人が木材を見るときに、透明な層を通してその内側で反射した光が見えます。それが木材独特の、味わいのある質感を生む理由です。木の表面は工業製品と違い均一な平面ではないので光の反射の仕方もひとつ一つ違います。ひとつとして同じ物がない木目の美しさと、光沢のある優しい光。無垢の木のみが持つ美しさです。また、木は音波も乱反射するので必要以上に反響せずうるさくなりません。木は心を落ち着かせるだけではなく、目にも耳にも優しい素材です。

広葉樹と針葉樹

無垢材は、広葉樹と針葉樹のふたつに分類することができ、広葉樹は、オーク、チーク、ウォールナットなど。針葉樹は、スギ、ヒノキ、パイン(松)などが挙げられるでしょう。一般的に、内装材に用いる広葉樹は、重く硬いのが特徴で、強度があり傷が付きにくい材。針葉樹は軽くて柔らかいため、歩行感や肌触りの良さが特徴です。

香りの成分でリラックス効果

木のにおい成分の一つであるα-ピネンは、ヒノキやスギ等に多く含まれ、木質内装の居室や針葉樹林内の空気中に存在しています。近年開発された自律神経活動の指標である心拍のゆらぎ計測(心拍変動性)を用いて、α-ピネンが人にもたらすリラックス効果は証明されており、α-ピネンの吸入によって「快適である」と感じることができるようです。

コンクリートの2倍の断熱性能。しかも強い!

木の繊維組織はミクロのパイプのようになっており、その中には最も熱を伝えにくい空気が含まれています。そのため木は断熱性に優れ、コンクリートの約2倍の断熱性能をそなえています。また同じ重量で強さを比較すると、木は鉄の約4倍の引張強度、コンクリートの約6倍の圧縮強度を備えている、軽くて強い素材です。地震の力は建物の重さに比例して大きくなるため、重い建物にはより大きな破壊力が加わることになります。同じ大きさの家なら、鉄やコンクリートの家よりも、軽い木でつくった住まいのほうが地震の影響が少ないと言えます。

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